サッカーW杯の試合中継等:ユジノサハリンスクでのテレビ放送に関すること

ロシア国内でサッカーW杯が開催中です。

大会は、出場32ヶ国のチームを4チームずつ、8つのグループに分けて催した予選リーグが終わり、勝ち残った16チームによる決勝トーナメントが始まり、益々盛り上がっている感です。

開催国枠で出場し、事前の“低評価”を跳ね返して決勝トーナメントにコマを進めたロシアチームの母国ですから、ユジノサハリンスクでもロシアチームの各試合を含めたW杯サッカーの試合はテレビ中継が盛んに流れています。

こうした大きなスポーツイベントに関して、「国内開催」と言えば、人気が高い試合は「テレビを視易いような時間帯」と考えますが、ロシアでは、殊にユジノサハリンスクのような場所ではそういうことにはなりません。

ロシアは東西に大きく拡がる巨大な国土の国で、国内に大きな時差が在ります。モスクワ等の欧州部とサハリンとの時差は8時間です。

決勝トーナメントにコマを進めたロシアチームがスペインチームと対戦した試合は「7月1日 17時キックオフ」でしたが、ユジノサハリンスクでは「7月2日 午前1時キックオフ」です。“極東”の中でも時差が在って、ハバロフスク地方や沿海地方では「午前0時」で、カムチャッカ地方では「午前2時」です。

ロシア国内では、こういうのには「或る程度慣れている」ように見受けられます。ユジノサハリンスクでスポーツ観戦好きな皆さんは「あの試合は〇時だったか?ということは…当地は〇時だから、その頃に…」という具合に備えてテレビ中継を楽しむ訳です。他方、何かこういうのは「日本国内で欧州諸国や米国でのスポーツイベントをテレビ中継で視る」時の感覚を思い出さざるを得ません。

「7月1日 17時」、サハリン時間では「7月2日 午前1時」の試合ですが、“サッカー大国”に数えられるスペインのチームに対し、ロシアのチームが地味な印象も免れ得ず、「ロシアのチームにとっての大会は次の試合までか…」という観方が支配的であったと見受けられます。しかし、実際の試合では「1対1」で得点が動かず、「ずうっとボールを持っている?」というように視えたスペインの攻撃をロシアが凌ぎ続け、延長でも決着が着かず、PKになってロシアが勝ちました。

テレビの実況中継の後半の方から試合終了までを視ましたが、淡々と言葉少ない感で実況中継をしていたアナウンサーが、「勝った!勝った!スペインに勝った!史上初!史上初のベスト8!」と、スペインの5人目のキッカーが蹴った球をロシアのゴールキーパーが弾いて試合が決した瞬間は、「このアナウンサーは多分涙ぐんでいる?」と音声が震えるような、声が裏返るような感じで絶叫していました。

この試合が終わったような頃、ユジノサハリンスクは午前4時頃でした。外では、何処かに集まって試合をテレビ観戦していたらしい人達が戸外に出て来た様子が伺え、暗い街に「ロシア万歳!」というような叫び声や、スタジアムで応援に使うラッパを鳴らすような音が些か聞こえていました。こういう「熱さ」には少し驚かされますが、広大な国の隅々で応援する人達の想いが反映され、劇的な展開が在ったのかもしれません。

このW杯サッカーのような人気が高いモノは、「日本国内で欧州諸国や米国でのスポーツイベントをテレビ中継で視る」時の感覚に似ているかもしれない状況で、ユジノサハリンスクでは楽しまれています。が、こういう「少し特別なモノ」に限らず、普段から「(欧州部で使われている)モスクワ時間の時刻表示がされたままのコンテンツ」がユジノサハリンスクで観られるテレビ放送でそのまま流れている場合が在ります。

「(欧州部で使われている)モスクワ時間の時刻表示がされたままのコンテンツ」がテレビ画面で流れていて、日中に何となく眼に留める場合には然程気になりません。が、朝早くには戸惑うことが時々在ります。例えば「午前6時半」に起き出してテレビを視た時に、画面に「午後10時半」と出るのです。「前夜に眠ったのは?何時だった?あれ?」と訳が判らなくなります。ことに「午前6時半」が未だ暗い場合には、頭の中の混迷は膨らんでしまいます。納得するのに20分かそこらを要したことも在りました。

こういうのに対し、「もう少し細かい」感じの判り悪さも在ります。ロシア全土でテレビコンテンツを放映している局の一部に、全土を幾つかのゾーンに分け、ゾーン毎に「1日の予定コンテンツ」をゾーン毎の時間帯に合わせて流し、“生放送”のニュースのようなモノに限って「(欧州部で使われている)モスクワ時間の時刻表示」が入ったままで流すという方式を採っている例が在ります。

この“ゾーン”の方式の場合、不意に“生放送”に切り替わると「あれ?」と思いますが、何分も経ずに「“生”だから、モスクワ時間の表示が入り込んだ…」と気付きます。

より紛らわしいのは、“ゾーン”が正しくサハリンの時間帯に合わず、「極東」ということでハバロフスク地方や沿海地方の時間帯で放映されていることが在るという例です。例えば「好評な〇〇。本日18時30分放映」と画面で告知され、それを視てみようとユジノサハリンスクで18時30分にテレビを点けても視られないことがあります。放映スケジュールが、「マイナス1時間」なハバロフスク地方や沿海地方の時間帯で動いているので、19時半に至って漸く当該コンテンツが放映されるのです。

こういう紛らわしいのは色々と在りますが、サハリンの地元放送局で自社制作のコンテンツを中心に放送している時間帯では、時刻表示が出る場合には「サハリン時間」で普通に表示され、特段に問題は在りません。

とりあえず国内で1つの時間帯を採用し、テレビ放映等はその1つの時間帯で行われている日本国内と、国内に幾つもの時間帯が存在するロシアとでは勝手はやや違います。が、何れにしても国際的なスポーツイベントで自国チームに声援を贈り、素晴らしい試合に拍手を贈るということに大きな違いは在りません。