<日本国総領事杯 ユジノサハリンスク市剣道大会>(2017.12.09)

友好都市交流等でサハリンの皆さんを稚内に御迎えするような事例は幾つも在るのですが、時々、何の脈絡も無く「XX年に○○で来た人達は、今頃どうしているのだろう?」と思い出すことも在ります。殊に色々と一生懸命にやって、強い印象を残したグループ等に関しては、そういう傾向が強まります。

2014年のことでしたから、何時の間にか何年も経っているのですが、以前に稚内に御迎えした、ユジノサハリンスクで剣道に取組む児童生徒のグループは、「時々思い出す」というグループです。

当時、入国管理の仕事に携わっていた方が“裏話”という感じで後から教えて下さったことが在ります。稚内港にフェリーが到着し、入国手続に臨む乗客達がブースに近寄って来る中「小学生位の年恰好?」という子ども達の一団が眼に留まったそうです。キョロキョロとして「僕の順番!」となって係員の居る辺りに近付き、「こんにちは!」と大きな声で挨拶を始め、係員は多少驚きながら「こんにちは…」と応えると、今度は「お願いします!」と会釈をしてロシアのパスポートを示し始めたというのです。係員の方は「何の子ども達なんだ?」と驚いたと同時に、「出会った大人に元気に挨拶をするというのは、なかなか感心な子ども達だ」と思ったそうです。そして後から地元紙の記事で、剣道の交流にやって来た子ども達だと知り、「道場で技を競い合う以外の部分にも、指導者の指導が行き届いている感じがした」と驚いていました。

この時の子ども達は、真直ぐで真面目な指導者の指導下、何事にもとにかく一生懸命でした。当時、最年少の子ども達は小学校低学年相当で、身体も小さく、「大切な道具を大事に抱えて来た」という具合に、剣道の防具が入った大きなバッグを小さな身体で必死に抱えて稚内港に到着しました。大事なモノとは言え、重い荷物を抱えての到着で少々草臥れた他方、始めたばかりの剣道が起こったという国に初めて上陸出来たという嬉しさ、更に滞在への期待に輝いていた彼らの雰囲気は忘れ難いものです。

↓その子ども達が稚内へやって来た経過は、こちらで御覧頂けます。
>>青少年受入事業(スポーツ交流【剣道】)(2014年7月23~28日)

その時の子ども達も出場する剣道の試合が在ると偶々聞きました。ユジノサハリンスクで剣道に取組むグループを御迎えした際の指導者―現在でも大変に熱心に活動を続けていらっしゃいます。―に偶々御会いし「試合が直ぐに…」と聞いたのです。

2014年当時のメンバーで、剣道から離れてしまっている例も在るでしょうが、未だ続けている皆さんも在る筈で、どういう様子なのか観に行ってみました。

その試合は<日本国総領事杯 ユジノサハリンスク市剣道大会>です。「少年の部」と「成人の部」とで各々順位を競って試合を行いました。駐ユジノサハリンスク日本国総領事も、優勝杯のプレゼンターを務めるということで、来賓として会場に姿を見せていました。

↓「少年の部」から試合が始まりました。
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2014年当時、「本当に始めたばかりの初心者」で試合は余り巧く戦えなかった子ども達ばかりでしたが、当時から続けている子ども達が溌剌と「少年剣道らしい試合」を展開していました。

↓「少年の部」の後の「成人の部」の試合を観戦している様子ですが、見違えるように凛々しい感じになっていて驚きました。小学生相当の年齢の子どもですから、3年も経てば様子は変わります。
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↑この子は稚内でも赤い胴を愛用していて、筆者の中では「赤胴くん」と記憶に残っています。試合では、彼よりも背が高い相手に対して低い位置から果敢に胴を打ち込んで一本を取っていました。

↓全ての試合が終わって表彰式です。優勝した選手は日本国総領事から優勝杯を授与されました。
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↑「少年の部」の出場選手の中では年上なのだと思いますが、“少年”から“青年”へと成長している感じがします。

何か、「小さかった頃に会ったきりの縁が在った子ども達を久々に視た」という感、そして「試合は余り巧く戦えなかった子ども達が立派に戦っている」という感で、少し胸一杯になりながら観戦していました。

閉会式で、競技団体の役員の方が「剣道では何よりも“礼”が重んじられる。対戦相手や稽古の相手や活動を支えるあらゆる人やモノへの感謝が“礼”であると思う。これからもそういうことを大切にして活動を続けよう」とされていました。

また機会が在れば、彼らの様子を観に行きたいと思います。

この記事へのコメント

  • 中林20系

    リンク先も拝見いたしましたが…好い話ですね!
    わたしも中学卒業まで街の道場で剣道をしてましたので(=初段は取りました)、ロシアの剣士たちの振る舞いなどよく解ります。スポーツではなく武道ですから、技術などよりもまずは礼節なんですよね。
    稽古前、全員で唱和してた『武道修養の目的』というものを思い出しました。
    剣道を通じて得られたことが、彼らの今後の人生に役立ってくれたらいいな…そういうことを思いました。
    2017年12月11日 20:34
  • 稚内市サハリン事務所

    >中林20系さん

    こんにちは!
    リンク先も含めて御覧頂きありがとうございます。

    2014年に稚内で迎えた、剣道に取組んでいた子ども達については、強く記憶に残っていて、その時の子ども達が少し大きくなって、溌剌と少年剣道らしい試合をしていた様子を嬉しく観ていたというお話しを御紹介しました。

    競技団体の役員の方が閉会式で言っていた「対戦相手や稽古の相手や活動を支えるあらゆる人やモノへの感謝が“礼”であると思う。これからもそういうことを大切に」という考え方は、剣道の様な武道に限らず、色々なことに通じる大事な考え方のように思いました。
    真っ直ぐで真面目な指導者の下で、子ども達もそういうことを学びながら、日々稽古に励んでいる訳です。

    そう言えば、指導者の方は「剣道の経験者の方が在れば紹介して頂きたい。道場で一手御教示願えれば大変に幸い」というようなことを仰っていました。もし、サハリンへ御運びなら、経験者として子ども達の様子を観に行かれるのも一興と思います。
    2017年12月12日 06:49