ロシアの“ノート”(2018.08.19)

会合に出て、話題にしたことや、忘れずに記憶しておきたいことに関してメモを取ろうとする場合、ノートが必要です。

そういう「記録をする」ということに関して、最近は色々な機材が在るでしょうし、その場の了解を得られるのであれば「録音して後から記録を起こす」という場合も在るのかもしれません。が、その場で本人に判るように筆記して、必要が在れば清書して報告でもするという方が「速くて確実」であると筆者は考えています。

そんな考え方は、国や地域を問わずに何処にでもある訳で、何処へ行っても「メモを取るノート」のようなモノは色々と販売されています。

↓サハリンの文房具店で見掛ける機会が多いノートはこういうような感じです。
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↑勿論、様々なサイズや厚さのモノが見受けられるのですが、「A5変形」とでもいうような大きさのモノに出くわす機会が多いような気がします。

特段に表紙等に絵柄が無いようなモノも在りますが、写真のモノのように何やら画が入っているモノも多いです。これを入手しようと立ち寄った店では、児童生徒が使う文房具が色々と揃ったコーナーが在って、何となくそこで見繕って入手したモノです。「ロシア」というイメージで、何処かの街の趣が在る建物のイラストと国旗のカラーを使った渋いモノの他方、「何処の国の男児も“乗物”が好き?」ということなのか、ロシアのスホーイ戦闘機の写真が使用されたモノも在りました。これらのノートは、1冊39ルーブルでした。

↓ノートを開くとこういう感じです。
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↑色々なタイプの罫線が刷られているページが見受けられますが、サハリンの文房具店で見掛ける「ロシアで普通に使用されているらしいモノ」の中では、こういう方眼になったページのモノが多いような気がします。

実は、稚内でサハリンの皆さんを迎えた会議が開催される予定が在り、その際の話題をメモしておくノートが必要であることを思い出して文房具店に立ち寄ったのでした。このノートも「宗谷海峡を往来しながら使用される」というようには想像もしていなかったことでしょう。

Дарт Вейдер(ダルト・ヴェイデル)?(2018.08.04)

ユジノサハリンスクの街の南側、空港と都心部とを往来する道筋に大型商業施設の<シティーモール>が在ります。大きな建物が広大な駐車場に半ば囲まれるように建つ威容を誇る場所で、日本国内で視掛ける「郊外型ショッピングモール」と何ら変わりません。

開業から日が浅い2010年頃から、そのまま続いているテナント、場所や広さを変えながら続いているテナントが見受けられる他方、「これは新しい?」というモノが登場していたり、「ここに在ったアレは?」というように撤退している例も見受けられます。この施設も、何時の間にか年月も経って、ユジノサハリンスクや近隣の街の暮らしの中で確り存在感を示しています。

↓その施設内の「これは新しい?」と見受けられたテナントで眼に留め、思わず求めてしまいました。
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↑「Дарт Вейдер(ダルト・ヴェイデル)」なる文字を眼に留めて「何?」と思ったのですが、画を視れば判ります。あの『スターウォーズ』の劇中人物である“ダース・ベイダー”です。

“ダース・ベイダー”は英語の綴りにロシア語の文字を宛てて「Дарт Вейдер(ダルト・ヴェイデル)」です。『スターウォーズ』は確り「ロシア語訳」が施されて「Звёздные Войны(ズヴョーズドヌィェ・ヴァイヌィー)」となっています。

↓中を視れば、“ダース・ベイダー”ことДарт Вейдер(ダルト・ヴェイデル)が「ロシア語の台詞」を口にしています。
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米国で人気の、有名な映画に着想を得たコミックが、確りとロシア語訳されてロシア語圏内で販売されているという訳です。1冊が450ルーブル前後でした。

日本国内でもこの種の“アメリカンコミック”は視掛けないでもないと思いますが、ユジノサハリンスクのような“商圏規模”の地域―30万人前後の規模でしょうか?―の店で販売されてはいないような気がします。

↓本の裏には「12+」と在り、「12歳以上の読者を想定」となっています。
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↑ユジノサハリンスクで視掛ける、こういう娯楽系の本、映画、ミュージックビデオなどでは、こうした「XX+」という「鑑賞・購読対象年齢」を示す決まりになっているようです。

近年は「世界的な流行り」が、ユジノサハリンスク辺りでも直ぐに入っている様子です。

Вешалка(ヴェーシャルカ)=ロシア製(2018.08.04)

↓近所の店でこんなモノを求めました。
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↑衣類を掛けるハンガーです。ハンガーはロシア語でВешалка(ヴェーシャルカ)と言うそうです。

筆者は、こういうモノを「洗ったシャツを掛けて干しておく」というような用途で多用しています。

何気なく求めたのでしたが、よく視ると「Сделано в России」(ズヂェーラナ ヴ ラッシー)という文字が入っています。「ロシア製」という意味です。

勝手なイメージですが、ロシアでは宇宙ロケットのような仰々しいモノを造っている他方、「日用の一寸したモノ」を何処かで製造しているようなイメージが薄いように思わないでもないのですが、こういう細々したモノも確り造っています。

日本国内でも言い得るかもしれませんが、ロシアでも「日用の一寸したモノ」に関しては、色々な国や地域で製造された品物が多く見受けられます。ハッキリと「明らかにロシア語ではない文字」で商標や品名が大書されている例さえも視掛けます。このハンガーに関しては、使おうとして探した時に偶々見付けて求め、「ロシア国内の消費者向けに、ロシア語で色々と表記されている」とは思いましたが、「Сделано в России」(ズヂェーラナ ヴ ラッシー)に当初は気付きませんでした。

↓束ねられている厚紙を外すと、こういう具合です。
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↑フックが回るようになっていて、少し使い易いです。

サハリンで「一寸使う…」と日用品を求めようというような場合、何となく「Сделано в России」(ズヂェーラナ ヴ ラッシー)という文字に注目しておけば、「ロシア国内でこんなモノを造っている?」という製品に出くわせるかもしれません。

ロシア製のポロシャツ(2018.07.30)

↓6月頃に眼に留めて求めて在ったのですが、最近になって出番が増えている代物です。或いは「これから活躍!?」と6月頃に求めて在ったものの、何となく肌寒い感じが続いていて、7月下旬頃から漸く多用するようになったという面も在るのですが。
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↑650ルーブルで求めた、ロシア製のポロシャツです。“海軍”のイメージらしいのですが、胸に錨のマークが入っています。シンプルな感じで、落ち着いた色合いなので、何処で着ていても違和感が無いようなモノだと思います。

時々、「サハリン等を訪ねた際の土産に好いモノ?」というお尋ねを頂きます。こういうのは好き嫌いが千差万別で、少し難しいかもしれないお尋ねだとも思うのですが、画のようなモノを含めて「普段使えるような、ロシアの実用衣料は如何か?」というお話しをすることが在ります。

実際、筆者はサハリン滞在に際して然程多くの衣類は持ち込んでおらず、割合として“現地調達”が少々多目であると思います。

このポロシャツに関しては、稚内へ持ち帰って使う機会も在りそうな感です。

Тельняшка(チェルニャーシカ)(2018.07.25)

「方々が酷く暑いようで…何やら本当にとんでもない気温になっている場所のニュースも視たが…対して当地は?或いはこの状況を善しとすべきか…」というようなことを話題にしているのが随分と聞こえるユジノサハリンスクの昨今です。

最近は天候が変わり易く、「冴えない天候」という感の時間帯と「爽やかな好天」という感の時間帯とが「1日の中に同居?」というような感じです。

7月前半頃までに頻発していた肌寒いような感じは免れ、日中の気温は「20℃を超えるか、超えないか?」という日が多くなりました。「暑い…」と感じるレベルの25℃辺りは未だ少ないのですが、何となく湿度が高いので、気温の数字以上に暑いような気がする場合も在ります。

更にユジノサハリンスクに関しては、気温が上がらない早朝から午前中の早めな時間帯と、日中から夕方までとの「温度差」が意外に大きく、多少戸惑う場合が無いでもありません。

こうした状況下、「汗をかいてしまって、着替える頻度」が少し高くなり、それに伴って「洗濯の頻度」もやや高まります。

↓そういう中で、「洗濯の頻度」が高くても、「草臥れた感じ」になり悪いロシア製の長袖Tシャツが在って、かなり気に入ってしまいました。
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↑水兵のシャツが起源であるというモノで、現在でもロシア海軍や他の機関で使用されている仕様のモノであるとのことです。

この「チェルニャーシカ」(Тельняшка)と呼ばれるモノには色々な仕様のモノが在ります。薄い生地で、表側にだけ横縞が入っているようなモノは、「洗濯の頻度」が高いと直ぐに草臥れた感じになってしまいます。写真のモノは、“二重”というのか、表も裏も横縞が入った少し生地が厚いモノです。このタイプは「洗濯の頻度」が高くても「草臥れた感じ」にはなり悪いです。

ユジノサハリンスク市内では、薄い生地のモノは400ルーブル位で、厚い生地のモノは600ルーブル位で売られています。

洗濯物も余り溜めると「手が施せない…」ということになるので、多少は気を遣って、頻度を高めています。そうなると、「洗って干している間に着る…」ということで、この「チェルニャーシカ」を買い足してしまいます。昨年は、薄い生地のモノを「夏季には好さそう」と求めていましたが、直ぐに「草臥れた感じ」になってしまいました。対して、厚い生地の方はそういうこともないので、最近は専ら厚い生地の方を使います。

25℃を超えようかという中、厚い生地の長袖Tシャツであるこの「チェルニャーシカ」は、少し汗を多くかいてしまうのですが、昨今のユジノサハリンスクの感じでは「丁度好い」ような場合が多いと思います。そして、長袖Tシャツは「肌に太陽光線が当たる部分が半袖より少ない」ので、それが意外に快適です。

2018W杯仕様のロシア代表ユニフォーム(2018.07.07)

ユジノサハリンスクの街の南側、空港へ向かう途中に在る広い敷地に大型商業施設の<シティーモール>が在ります。

空港より更に南のコルサコフからユジノサハリンスクへ引揚げる途中で、バス停も在るので、コルサコフまで出てみた帰り道に寄り道をしました。

<シティーモール>の館内は、大小様々なテナントが入っていて、館内を歩くと「一寸した商店街の中に居る」ような感じです。

有名スポーツ用品メーカーの関係の店がテナントに入っていて、通路から硝子越しに少し目立つモノが陳列されているのが視えました。

↓硝子越しに「好いな…」と思い、中に入って眺めて、幸いに自身のサイズが在ったので思わず“衝動買い”してしまいました。
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↑ロシア国内で開催されているW杯サッカーのロシア代表チーム仕様の赤いユニフォームです。

↓襟の辺りに「共に勝利へ」というマークも地味に入っています。
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店に立寄った時には、「ロシア代表チームを応援」というムードが高まっていた最中でもあり、店員さん達もこのユニフォームを着て、胸にスタッフの名札を着けて接客をしているという状況でした。

価格的には、「1ルーブル=1円70銭程度」という極最近のレートで換算すると、「日本国内の店でこの種のユニフォームを求める場合と大差が無い?」と思えるような感じでした。

しかし、求めてみた筆者としては「価格以上のモノ」を感じています。傍目には、「某有名メーカーの、御馴染な“三本線”が肩の辺りに在る赤いシャツ」という以上でも以下でもないかもしれません。が、事前の低評価を跳ね返して決勝トーナメントに進出し、PKにもつれ込んだ2試合を戦ったという、永く語り継がれそうなロシア代表チームの活躍を、ロシア国内でテレビ観戦したという「貴重な記念品」だと思うからです。

ロシア語では「Tシャツ」のことを「футболка」(フトボルカ)と呼んでいます。或いは「サッカー(футбол=フトボル)をやる時に着ているようなモノ」というようなことから起こっているのかもしれない等と思えます。

画のデザインのユニフォームで2018W杯に臨んだロシア代表チームは、ベスト8で敗れてはしまいましたが、先行を許してしまっても追い付いてPKにもつれ込むという熱戦の末の敗退ですから「よくやった!ありがとう!」というような観方が圧倒的多数派を占めているように見受けられます。

「Собой」(サボイ)=「持ち帰り」のカップ(2018.07.04)

カフェの店内でコーヒーを頂くということの他、紙製等のカップに入れて頂いて外にコーヒーを持ち出すということも出来るというのは、日本国内でもよく在ることになっています。ユジノサハリンスクでも同様です。

紙製等のカップに入れたコーヒー等を外に持ち出す場合、ユジノサハリンスクの店では「Собой」(サボイ)と申し出ることになります。

↓近所の店で、その「Собой」(サボイ)と申し出て、紙製のカップにコーヒーを入れて頂きました。本当にそのまま持ち出す場合が多いですが、この状態で店内で頂いているという方も多々視掛けます。
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↑この日は店が非常に空いていて、特に誰にも迷惑が及ぶでもないので、お店の方に一言断って、一寸カップを写真に収めてみました。

ユジノサハリンスクでは、広く販売されている「業務用飲料カップ」とでもいうようなモノも多く視掛けるのですが、自分達のチェーン店や個別の店のロゴマーク等を入れた「オリジナル」なカップも視掛けます。

「業務用飲料カップ」とでもいうようなモノに関しては、サハリンやロシア国内で製造されているらしいモノの他に、アジア圏の国の文字が一寸視える「輸入品」も見受けられます。

写真を御紹介したのは、立寄った店のロゴマークが入った「オリジナル」です。店名は<ЗЁРНА>(ジョールナ)で、「コーヒー豆」という意味です。

こういうカフェですが、時日を経ると、店で扱うモノが多少変わって来る場合も見受けられます。この<ЗЁРНА>(ジョールナ)は、以前は飲物の種類が驚く程に多く、サンドイッチやケーキを色々と置いていましたが、最近は飲物の種類をやや絞り込み、サンドイッチやケーキは少なくなり、他方で以前はやっていなかったコーヒー豆の販売をするようになっています。

「渋いデザインのカップ」と思わず写真に収めましたが、この店では飲物は200ml程度、350ml程度、400ml程度と3種類の大きさが殆どのモノで用意されているので、カップも大・中・小の3種類が在りました。後ろに積み上げられていますが、大きさは変わってもデザインは同じです。

“ケーチュプ”(кетчуп)=ケチャップ(2018.06.22)

↓最近、立寄る機会が少し増えているユジノサハリンスク市内のハンバーガー等の店で視掛けたモノです。
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↑日本国内でも視掛ける場合が在る、米国発祥の有名メーカーの商品です。

ラベルを視れば、日本では英語のアルファベットが在って「トマトケチャップ」とカタカナが添えられているような場所に「ТОМАТНЫЙ КЕТЧУП」(トマートヌィー ケーチュプ)とロシア語が入っています。ロシア国内や旧ソ連諸国等のロシア語圏に向けた専用ラベルが用意されている訳です。

創業の歴史を紐解けば1869年に遡るという米国発祥の有名メーカーですが、世界中の様々な国々に進出して商品を売っています。ロシアに在っては、1993年頃に進出して、ロシア国内の食品工場で一部製品の製造も行いながら販売を続けているようです。何気なく点けるテレビで視る番組のコマーシャルに、この会社のモノを視掛ける場合も少なくありません。

サハリンの人達に限らず、ロシア国内での傾向かもしれませんが、ポテトフライのような揚げ物に関して「ケチャップを点ける」ことを好む方が多いように見受けられます。実際、稚内でサハリンの皆さんを御迎えしてファストフード店等に寄る場合、ポテトフライ等が在ると「ケチャップ?」というリクエストを頂くことが多く在るのが想い起されます。

この米国発祥の有名メーカーがロシアで活動を始めたとされる1990年代前半頃と言えば、「何処からどういう具合に入ったか判らない、外国メーカーのモノらしき商品が目立つ」という状態で、“ロシア語ラベル”は余り視掛けなかったものです。そこから年月を重ねる中で、様々な商品の流通の上でのルールも整い、現在では寧ろ“ロシア語ラベル”が付いたモノの方が多数派を占めているようにも視えます。そして、何か新たなモノを売り込むにしても、「現に在る様々なモノと比べて、妥当な販売価格の実現が可能か?際立った特徴が在るか?」というようなことを、より慎重に求められるような気がします。

日本国内のハンバーガー等の店で、この画のケチャップと「全く同じか、殆ど変らない」と思われるモノを視た記憶が在ります。が、ユジノサハリンスクの店に比べて「減り方」が少なかったような気がします。ユジノサハリンスクでは、揚げ物に点ける調味料等として、ケチャップの人気がより高いのかもしれない等と考えていました。

花束の出番が多い…(2018.06.20)

自身や所属先に関係することで「花束を贈る」というようなことになって、その準備に関わってみる、或いは用意した花束を何となく眺めるという場面が「年に何回位あるだろうか?」と不意に考えました。

稚内市役所では、或いは他所の職場でも同じような感じであると思いますが、例えば「定年退職を迎える先輩が最後に出勤した日に帰る場面」で花束を贈って多年に亘る功を労う気持ちを伝えようとする例が在ると思います。「花束を贈る」と言えば、思い浮かぶのはそういう事例で、毎年のように手近な部署でそういうことが在るのでもないので、これも毎年ではありません。

近年は、稚内市サハリン課が事務局を務める<稚内国際文化交流協議会>で、今や稚内の人気者でもあるユジノサハリンスクのグループ<ルースキー・テーレム>が稚内公演を行う場面で、「この日の、これの機会に花束を」という例が在るのが思い浮かびます。

そういうように、「花束を贈る」というようなことになって、その準備に関わってみる、或いは用意した花束を何となく眺めるという場面が意外に少ないことに思い至ります。

↓そういう妙なことを考えたのは、稚内市サハリン事務所のオフィスでこういうモノを眺める機会が在ったからです。
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↑慶事が在って、御招きを頂いたので足を運ぶこととなったのですが、慶事の主役に花束を贈ることになり、持って出る少し前に辺りに置いた花です。「凄く見栄えが好い」と思わず見入ってしまい、写真に収めました。

ユジノサハリンスクでは、「花束を贈る」というようなことになる場面が、稚内に居る時よりも格段に多いように見受けられます。

自身や所属先の関係で「花束」という話しにはならなくても、「慶事」と名が付く場面であれば、集まる人達の中の個人、または何処かの関係団体等による「花束」が「必ず」と言って差し支えない程度に登場しています。

これは「仕事上の」という交際に留まらず、個人間の交際、更には手近な家族関係の中でさえも「花束」は登場します。

家族間で、「これを!今日はあなたの誕生日だから…」と帰宅途中に求めた花束を贈るというような話しはありふれています。更に、家族間で言い争いのようになってしまった少し後、「俺も悪かった…」と花束が登場するというようなことも在るようです。

そして「花束」が「社会的な慣例」でもあるようになっている日も在ります。毎年3月8日の<国際女性デー>や、9月1日の学校の始業日がそういう例に相当します。

ユジノサハリンスクでは、「色々な意味」で花束の需要が高いと見受けられる状況なので、花を売る店が存外に眼に留まります。通常の商店のように、朝の9時や10時から午後7時頃という営業時間の場所も在る他方に、早朝から深夜まで営業している例や、「24時間営業」まで在ります。実際、早朝の時間帯に戸外に出て、その種の店を視掛けて何となく驚きます。序でに言えば、ユジノサハリンスクに留まらず、ロシア国内で或る程度の人口規模である都市へ行けば、高い確率で「24時間営業の花屋」に出くわすようです。

こうした花ですが、かなり遠い国々も含む様々な国からロシア国内へ輸入された花卉類がロシア国内流通ルートでサハリンに至っているというモノや、大きな温室で様々なモノを栽培している地元業者が栽培した花卉が混在しているようです。聞けば後者がやや少数派ながら、相対的に安価で良質であると、扱っている店の評判が高いようです。

この種の花を「慶事で贈る」場合ですが、ロシアの慣行では「必ず奇数」にしているようです。「3本、5本、7本…23本、25本…」というのは慶事の際には好い選択です。「2本、4本、6本…」という「偶数」は、「専ら弔事の際」に贈る花に限定されるということです。

よく知られる歌に『百万本のバラ』が在ります。「百万=1,000,000」は「偶数」となってしまいますが、この歌の歌詞の場合の「百万」は、「辺りが埋め尽くされる程な夥しい数のバラの花」という意味で、「具体的な本数」のことではないものと想像出来ます。

写真に収めた花は23本という「慶事」のためのモノですが、贈った際には先様に非常に喜んで頂けました。

ラーンディシ(ландыш)=スズラン(2018.06.04)

事務所の近所に在る郵便局へ用事を足しに出たスタッフが「素敵なモノが在った!」と御機嫌で戻って来ました。

↓ユジノサハリンスクでは、通で何やら売っているというような方を気候の好い時季には視掛けるのですが、そういう方に出くわし、視るとスズランを売っていたのだそうです。
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↑スズランに関して「好きな花の一つ」と言うスタッフは、思わず求めてしまったのだそうです。可憐な花のスズランですが、サハリンでも方々に自生しているようです。

この花を視ると、稚内で何度も公演を行っている<ルースキー・テーレム>のレパートリーに『スズラン』という楽曲が在ったことを思い出します。

4人の女性ボーカリストが「ラーンディシ♪ラーンディシ♪」と歌いながら、ステージから客席に近付き、スズランの造花を来場者に配るという演出が<ルースキー・テーレム>の定番でした。

このスズランのような「時季の花」を愛でるというようなことも好いものです。事務所の室内は、スズランの花の仄かな芳香が漂うような状況です。