ロシア語圏への輸出仕様になっているライターのオイル(2018.04.29)

↓日本国内であれば、街のコンビニで見掛ける場合も多いライター用オイルです。
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↑ユジノサハリンスクであれば、一部の雑貨店や喫煙具等の店で見掛けるばかりで、余り売っていません。と言うよりも、オイルライターが然程広く使われるようには見えません。

450ルーブルでこんなオイルを入手してみたのですが、容器が「やや見慣れない?」ような感じです。可燃物なので“危険”と書かれて、細かい文字の注意書きが在るのですが、全てロシア語になっています。そして、よく視ればそれは「シールを貼り付けている」状態です。

ロシア国内でも、街で販売されるモノに関する色々なルールが在って、注意喚起を行うべきモノに関しては「ロシア語による注意書き」が為されてるべきというのが原則であるように見受けられます。他方、この種のモノで「どういう経路で、何処から?」というのが判り悪い、この画のモノのような「ロシア語シール」が見受けられないモノも散見はします。

ユジノサハリンスクは「ややマイナーな街」という印象も拭えない他方で、こういう細々したモノに至るまで、日用品等は「面倒な要求」さえしないなら「何でも在る」と考えても差し支えないような気がします。

ロシアの「36枚入り(!?)」なトランプ…(2018.04.28)

↓“絵札”にロシア語のアルファベットが入った、「ロシアのトランプ」を見付けました。
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↑60ルーブルで売られていました。ロシア国内で製造されているミネラルウォーターの1リットルや1.5リットルのペットボトルと大差が無いような、かなり手頃な価格だと思いました。

↓開けてみると、こういうような様子でした。
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↑“絵札”が美しいと、少し眺め入ってしまいました。

アルファベットが入った札は以下のような呼び方になります。

«В» = «J» — Jack = Валет(ヴァリェト)
«Д» = «Q» — Queen = Дама(ダーマ)
«К» = «K» — King = Король(カローリ)
«Т» = «A» — Ace = Туз(トゥーズ)

キングの«K»がロシア語で«К»なのは「そっくり」なので驚かない、または「ロシア語であることに気付かない」かもしれません。クイーンの«Д»は「何?これ?」という感です。更にエースが«Т»で、ジャックが«В»なのは「どういうことだ?!」と酷く驚くかもしれません。

序でに言えば、「クラブ」が「Трефы(トレフィ)」、「ダイヤ」が「Бубны(ブブヌィ)」、「ハート」が「Червы(チェルヴィ)」、「スペード」が「Пики(ピキ)」ということです。

こういうことを話題にすると、かのプーシキンの小説に『スペードの女王』という題名の作品が在ったことを思い出しました。原題は<Пиковая дама>(ピコーヴァヤ ダーマ)というそうです。上述の「スペード」の「Пики(ピキ)」が形容詞になって、「クイーン」の「Дама(ダーマ)」と繋がっている訳です。

それは結構なのですが、このトランプは「何か妙?」な感じがします。

実は入手して持ち帰る段で、「箱が“薄い”のではないか?!」と思っていました。そしてゆっくりとモノを視ると、通常の「13枚×4=52枚」のトランプではなく、「9枚×4=36枚」になっていたのでした。

「9枚」の内容は、上述のエース、ジャック、クイーン、キングの4枚に、「6~10」の5枚です。これが4組で「9枚×4=36枚」なのです。

これは「2~5」を取り除いて、9枚の組を4つにした36枚でプレイする<Дурак>(ドゥラーク)という、ロシアでは非常にポピュラーなゲームのために、敢えてこういう型で売られている代物だということです。

一寸面白いと思いました。

Ателье(アテリエ):ジーンズ修繕の件(2018.04.16)

その起源は「19世紀の作業ズボン」というようなことを聞くジーンズですが、今では多くの国や地域で、多くの人達に愛用されているモノです。

ユジノサハリンスクもそうした例に漏れず、街で擦違う人達が着用している例を多く視掛けます。そういうことなので、日本国内に在る時に愛用しているジーンズを持込んで普段から着用してその辺を歩き回っても、別段に違和感は在りません。

↓そういうことで、筆者が愛用しているモノがこれです。「もう少しで2年半」という位に長く使っています。
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↑単に「少し古びている」というだけで、何の変哲も無いモノです。

↓しかし、少し前はこういう状態でした。
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↑画で視ると右側、着用時には左脚が通る側が綻びてしまいました。皺になる箇所の生地が薄くなってしまい、綻びたのです。

下の画で綻びている箇所は、上の画では殆ど判りません。光の加減で画の色合いがやや違いますが、2枚の画に写っているジーンズは全く同じモノです。

ジーンズの中には、“クラッシュ”等と称して「敢えて破れたようにする」というデザインも在るようですが、長く使い続ける中で「本当に綻びてしまった」モノに関しては、やや使い心地が悪くなってしまいます。

そういうように思っていたところ、稚内市サハリン事務所からも近い辺りのАтелье(アテリエ)を知りました。

Ателье(アテリエ)というのは少し広い意味で用いられる語です。画室、写真スタジオというような意味でも用いますが、「洋装店」というような意味で用います。「洋装店」となると色々な仕事をする訳ですが、「傷んだ衣類の修繕」という仕事もします。

その修繕をАтелье(アテリエ)に御願いしました。料金は400ルーブルでした。金曜日に御願いし、月曜日に出来上がりました。

↓修繕をした箇所を裏返すと、こういうように布を当てて、外見上目立たないように、丁寧に縫っているのです。
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綻びてしまったままにジーンズを着用し続けると、綻びが拡がってしまい、更に使用感が悪くなってしまうということがあります。こうやって修繕をすると、綻びてしまったことを余り気にせずに使い続けることが出来ます。ユジノサハリンスクにも、こういう細々したサービスが色々と在る訳です。

ユジノサハリンスク市内でロシア語の名刺を作ってみた…(2018.04.06)

仕事上の用件等で他所の方に合う場面で名刺を使うという慣習ですが、サハリンでも極普通に見受けられます。

「極普通に見受けられる」とは思えるのですが、「初対面の場合等は半ば必須」という感じの日本国内に比べると、サハリンでは「必須という程でもない」というようには見受けられます。

それでも名刺を下さるサハリンの方は多いですし、何かで訪日する方に「日本では名刺が…」と言えば用意してみる方も多くいらっしゃいます。ということは、「名刺の印刷のようなサービス」がそれなりに展開されているということになります。

稚内市サハリン事務所の用務の中では、日本国内からサハリンへ来る方達とお会いする場面や、一時帰国中等の「日本語の名刺を使用」という場合の他、サハリンでお会いする方達とのやり取りで「ロシア語の名刺を使用」という場合が在ります。

紙の裏表に、各々に日本語とロシア語を刷るというようなことをすると、日本語を読む方にはロシア語が無駄ですし、ロシア語を読む方には日本語が無駄で、更に両面印刷は少し割高になってしまいます。そういうことで筆者は、ユジノサハリンスクでサハリン事務所の担当ということになるかなり以前から、「日本語名刺」と「ロシア語名刺」の2種類を用意して使い分けています。結局、年度毎の状況にもよりますが、「誰かに渡して、手元から出て行く速さ」が日本語のモノ、ロシア語のモノの両者で少し違う関係で、「2種類用意」が存外に合理的だと思います。

偶々、昨年度は日本語の名刺が手元から無くなるのが早かった関係で、年度初めに用意して在った日本語名刺については年度途中で増刷しました。ロシア語名刺の方は少し残っていたのですが、何時の間にか「何枚か…」という残数になってしまいました。

そこで「ユジノサハリンスク市内のサービスを利用してロシア語名刺を作る」ということを試しました。

↓出来上がったモノを無事に受け取ったところです。
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↑申し込む時に代金を支払って領収書を頂き、「出来上がりました」の連絡で受取りに行けば、何やら小さな袋に入れてモノを渡してくれます。愛用している名刺入れにも確り収まるサイズです。

サービスを扱っている店を訪ね、名刺を御願いしたい旨を申し出ると、用紙の見本が出て来て「サイズは?」という話しになります。

筆者は、普段から使用していて残りが少なくなっているロシア語名刺を示し、「これを同じ大きさで御願いしたい」と申し出ました。お店の方は、モノをコピーして、定規で一応測って縦横の長さをメモしていました。

用紙見本を視れば、実に色々な用紙が在りました。「金色!」というようなモノまで在って驚きましたが、そういう“変わり種”は敢えて選ばず、(“誘惑”を振り切り)シンプルに「白い用紙に黒い文字で刷る」ということにしました。

基本的には用紙や印刷の仕様で「1枚=Xルーブル」という料金の枚数分で、そこに手数料が加わります。そして印刷するテキストは、フラッシュメモリーに入れる等して持ち込むのが「普通」なようで、筆者もそういうようにテキストを用意して持ち込みました。

選んだ白い用紙は「1枚=3ルーブル」で、100枚御願いしたので「300ルーブル」でした。そこに手数料が加わり、合計で「311ルーブル」となりました。コンピュータに必要事項を入力してプリンタから出て来る“領収書”が在って、代金を支払うとレジから出て来るレシートも在るのですが、両者をステイプラーで留めたモノが渡されました。

火曜日の午後に申込み、「出来上がりました」の連絡は金曜日に入りました。

↓311ルーブルで、ロシア語の名刺が綺麗に出来上がりました。
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名刺を御願いしたお店は「集合住宅の建物の一部を利用した小さなオフィス」という趣きの場所でしたが、色々と面白いモノが陳列されていました。Tシャツやマグカップや皿、カレンダーやポスター、ボトルに貼り付けるラベル、何事かの大会に用いる記念プレートのようなモノ、キーホルダーらしきモノ、新年や各祝日に送るカード等々、“プリント”という概念で括られそうな、色々なモノを扱っているようでした。「機会が在れば…」と思わせるものが在りました。

それにしても、新たにロシア語の名刺も出来たので、今後の活動に活かせそうです。

ティーバッグ(2018.04.04)

ユジノサハリンスクの住宅やオフィスは「集中暖房」方式で、寒い時季には快適ですが、空気が少々乾燥することは免れ得ず「お茶でも欲しい」と思うことが存外に多く在ります。

稚内市サハリン事務所のオフィスもそういう様子で、「お茶でも…」と思っていたところ、何となく置いて在ったお茶が切れてしまい、暫らく経っていました。

↓そこでこういうモノを、近所の店で求めました。277ルーブルでした。
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↑「(誰でも直ぐ判りそうな)ロンドンの画にロシア語の文字」というのが不思議ですが、これは紅茶を淹れるティーバッグです。

「ロシアの紅茶」と言うと、「ポットで濃い茶を淹れ、カップに少し注いで熱い湯で少し薄める感じ」というのが、少し以前までの流儀であったように思います。最近はティーバッグがかなりポピュラーです。一部のカフェ等でも、紅茶を頼めば湯が注がれたカップが供され、後はティーバッグを頂く方自身が使うというようなことになっている例さえ見受けられます。

↓求めたティーバッグの箱を裏返すと、英語が書かれていました。
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↑「クラシック・イングリッシュ・ティー」となっています。反対側のロシア語の方も、ロシア語で同じ意味のことが書かれています。要は「普通な感じの紅茶」ということです。

↓箱の中には、こういう具合にティーバッグが沢山並んでいます。
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↑100個入りということです。これが在れば、当分の間は随時紅茶を頂くことが出来ます。

↓箱の横には、製造者や輸入者の情報等が在ります。
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↑ロシアで流通する“食品”の範疇になる紅茶ということになりますが、「ЕАС」という“食品”等でよく視るマークも入っていて、認証番号も付いています。

箱の横を見る限り、このティーバッグはインドで製造されていて、ロシアの業者が輸入しているモノのようです。ロシアでの流通のために、ロシア用の箱―ロシアのルールに則った必要事項が掲載され、他に消費者向けに「商品の特長」のようなこと等がロシア語で書かれているモノ―を用意して梱包しているということになります。

こういうティーバッグに関して、ユジノサハリンスクの一寸したお店では広く売られていて、種類も多く、価格帯も少し広めであるように見受けられます。近所の店で、画を示した「クラシック・イングリッシュ・ティー」というのを求めようとした時、もっと小さい梱包のモノよりも割安だと考えてこの「100個入」というようなモノに眼を向けたのでしたが、これより少し高いモノと、少し安いモノも在って迷い、「中庸が好いであろう…」とこれを選んだのでした。

このティーバッグに限らず、「或る程度の広い需要も見込める」ようなモノに関しては、「何処かの外国で製造されているらしいが、ロシアの市場で出回るモノらしい梱包が最初から施されている」という事例が増えているようです。「ロシアの消費市場」の「充実」を思わせます。

今回求めたティーバッグは、日本国内で出回っているようなモノと然程変わらない紅茶、或いは遠い国の国内航空路線の機内でサービスされる紅茶とも変わらない、「本当に一般的」なモノでした。が、近所の店で一寸視ただけでも、欧州諸国等で人気が高いらしい他方で、日本国内では余り視掛けないようなタイプの様々な茶のティーバッグも色々と在りました。何れそういうモノも試してみたいような気がします。

『サハリン島』(Остров Сахалин)の原書(2018.04.01)

好天の日曜日に<A.P.チェーホフ 『サハリン島』 文学記念館>に立寄りました。

↓館の入口辺りに在る渋い胸像の周辺から雪が消えたので、久し振りに一寸眺めてみたかったということで立ち寄ったのでした。
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そして何となく館内に入ったのですが、入口辺りのチケットを売っている窓口で、何やら本等を売っていました。

眼に留まったモノを係の方に見せて頂いたのですが、1冊「これは!」と思って半ば衝動的に求めてしまいました。

↓<A.P.チェーホフ 『サハリン島』 文学記念館>で売られていたのは、2017年に新たに刷ったという『サハリン島』(Остров Сахалин)の原書でした。
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↑一冊が600ルーブルでした。<A.P.チェーホフ 『サハリン島』 文学記念館>の後に道草したカフェで、何となくテーブルに出して眺め入ってしまいました。

↓チェーホフがサハリンを訪れた1890年というような頃をイメージした画が使用された表紙で、なかなかに趣きが在る本です。
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「本」は、当然ながら手に取って確りと読むべきモノではあります。が、「持ち歩いて随時読む」にはやや嵩張るような感じのこの一冊は、「とりあえず持っているだけで嬉しい」かもしれないような一冊です。

サハリンに在って、この『サハリン島』は「地域の歴史を伝える貴重な文献」であって、同時に「誰でも名前位は知っているような“大作家”が若き日に、遠路遥々サハリンを訪れて綴った」という代物で、サハリンでは「一寸特別な本」かもしれません。

ロシア製の手袋(2018.02.20)

手近で使い続けているモノに関して、長く使っていれば「何時、何処で求めたのか?」が判らない程になってしまう場合が在ります。そういうモノには妙な愛着も湧く他方、使い続け過ぎて傷んでしまい、「流石に使い悪い…」ということになってしまう場合も在ります。

筆者にとって、手袋がそういうような代物でした。「何時、何処で求めたのか?」が判らない程になってしまっていた、シンプルな軍手のようなニットの手袋を上着のポケットに殆ど常時入れて在って、随時使用し続けていました。稚内に居ようが、ユジノサハリンスクに居ようが、その状態は変わりませんでした。ところが、手袋の指先が何となく傷み始め、何時の間にか「指先が出てしまう」という、「スマートフォンの画面に触って操作し易い」という“アイディア商品”か何かのような具合になってしまいました。使い続け過ぎて傷んでしまい、「流石に使い悪い…」ということになってしまった訳です。

↓そこで近所の店に立寄り、300ルーブルで求めたのがこういう手袋です。
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↑「流行」のようなモノとは全く無縁な、実にシンプルな手袋です。ロシア製だということです。本当に厳しい作業等の際に着用するような種類でもなく、寒い日にその辺に出るような場面で使うようなモノと見受けられます。

実は店で、視掛けの違いが全く判らないような、この300ルーブルの手袋と、200ルーブルの手袋とが並んでいました。

「何が違うのでしょう?」と店員さんに尋ねると、「温かさ」ということでした。300ルーブルの方は、画に視える外観の下に薄い手袋が縫い込まれていて、“二重構造”になっているというのです。

この“二重構造”ですが、確かに「一味違う」ような温かさです。着用してみると、外見の手袋の中に「もう一枚」が判ります。この手袋は、ゴワゴワしているように見えて、存外に手に巧く貼り付く感じで、手袋着用のままでポケットから財布を取り出して一寸買物も出来ますし、上着の懐に手を入れてシャツの胸ポケットに入れたモノを出し入れするようなことも出来ますし、ボールペンを手にして字を書くことも出来ます。

非常に気に入ったのですが、一つ「細かい気になること」も在ります。何か「小指の部分」が「少々長い?」のです。

この手袋は、比較的廉価な普及版の男性用の手袋ということになるようで、「平均的なロシア人男性が広く使う」ことが想定されているようです。実は、サハリンで男性の友人や知人と会って話すような場面で時々思うのですが、何となく「手が大きな方」が多いような気がします。掌も広く、指が長い感じです。そういう手であれば、この手袋はもっとしっくりと使い易いことでしょう。

筆者は、どちらかと言えば大柄な部類で、身に着けるモノに関しては「一寸、小さ目?」と思う場合が多々在ります。この手袋のように「微妙に大きい?」は、個人的に少しだけ珍しいことです。

「寒いロシア」での「普通な普及版の防寒具」というモノは、さり気ない工夫が施されていて、「寒さに負けずに」という暮らしに合っているのかもしれません。

サハリンでは、この手袋が活躍するような低温がもう少し続きそうな気配です。

ファストフード店の飲料用カップから…(2018.02.15)

最近のユジノサハリンスクでは「雪が交じれば氷点下10℃を多少下回る程度。晴れれば氷点下20℃程度」というのが、未だ暗い朝の時間帯の感じだと思います。

2月15日の朝、戸外の様子を住まいの窓から伺って「晴れている…」と判り、気象情報をインターネットで確かめれば「氷点下23℃」で、実際に戸外に出てみれば「なるほど…氷点下20℃台…」という感じでした。身体を動かして歩いた時、「氷点下20℃台」の場合は、戸外用の上着が体の動きで擦れる場合に出る音が「氷点下10℃台」の時と多少違う気がします。その他、戸外で直ぐに手袋を着用しなければ、「急激に指が冷える」という感じになります。そして、「氷点下10℃台」と「氷点下20℃台」とでは、名状し悪い“空気感”の違いも否めません。

その氷点下23℃な中、以前にこのブログでも取り上げた、24時間営業のファストフード店へ向かいました。朝食にヴォリュームの在るサンドイッチを愉しみたかったのです。

↓これが以前にその店を取上げた記事です。
>>「所変われば…」:「世界一のファストフードチェーン」の店はユジノサハリンスクにも…(2017.10.03)

サンドイッチを店員さんに用意して頂き、飲物も頼んで会計を済ませ、ゆったりと朝食を愉しむというような時間は、存外に心地が好いもので、最近はかなり高い頻度でこのファストフード店に立寄ります。先日は顔馴染みな店員さんに「そう言えば…昨日は見えませんでしたね?」と声を掛けられました。

↓サンドイッチを平らげてしまって、飲物を頂きながら一息入れている時、何気なくカップを視て面白いと思い、写真に収めました。
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↑日本も含めた様々な国々で広く知られている、非常に御馴染なロゴマークが入った赤いカップが使われています。

余りにも有名な<コカ・コーラ>の流麗な書体のアルファベットで構成されるロゴの脇、右側に小さな文字が並んでいます。これに眼を留めました。

文字はロシア語で、「ЗАРЕГИСТРИРОВАННЫЙ ТОВАРНЫЙ ЗНАК」(ザレギストリーラヴァンヌィー タヴァールヌィー ズナーク)と在ります。これは直訳すれば「登録済みの商品の記号」とでもいうような感ですが、<登録商標>という意味に他なりません。なるほど、余りにも有名な<コカ・コーラ>のロゴは<登録商標>です。

こういうことがロシア語で記されているということは、このカップがロシア国内で製造されているか、他所で製造されているにしても「ロシア並びにロシア語圏の国々に向けて出荷」ということになります。こうした容器に関しては、見慣れない文字が在って「何処で製造??」というモノも見受けられるのですが、このファストフード店のカップのように「正しくロシア向け」というモノも視掛ける機会が多いと思います。

更に、左側の上に相当する辺りに「0,8л」という文字が在って、下線が付されています。これは「下線の辺りまで飲料を注ぐと0.8リットル」ということです。

この「下線の辺りまで飲料を注ぐとXリットル」という「数字と線」が画のようなカップやグラス類に付されている例は、随分古い話しなのですが、筆者はドイツで視掛けて「こんなことをやっているのか?!」と少し驚いた記憶が在ります。ロシアでもこの種の、「欧州諸国の流儀」が意外に広く入っていることに気付かされます。このファストフード店のカップの事例の他、「下線の辺りまで飲料を注ぐとXリットル」という「数字と線」を他所の店のビアグラスで視掛けたことも在ります。

日本国内で「ファストフード店のカップに入った清涼飲料」というと、「カップに氷を入れてから、機械で飲料が注がれ、蓋をしてストローが添えられる」というイメージが在ると思います。随分以前に何かで読んだのですが、有名なチェーンの或る店では、朝や昼の混み合う時間帯に素早く、何秒かでも早く飲物を提供することを目指し、「冷たい飲物用のカップに専ら氷を入れる要員」をカウンターに配置することさえしているといいます。ユジノサハリンスクの店で冷たい飲物を頼む際に、こういう日本の例が頭を過らない訳でもないのですが、ユジノサハリンスクでは「氷は入らない」のが普通です。

画の「下線の辺りまで飲料を注ぐと0.8リットル」と示されているカップには、氷は入らず、店員さんが機械で飲料をカップに注ぎ入れるだけです。ですからこの画のカップには「確り0.8リットル」の飲料が入っています。サンドイッチを頂きながら飲んでも余り、食後に一息入れながらという状態で飲んでも「ほんの一口残る?」という場合も在ります。なかなかの量で妙に飲み応えが在ります。

「下線の辺りまで飲料を注ぐとXリットル」という「数字と線」がカップやグラスに在るのは、何か「欧州諸国の流儀」のようだとしましたが、日本国内でも思い当たる事例は在ります。

鹿児島等では「焼酎のお湯割りグラス」というものがポピュラーなようです。例えば稚内市の友好都市である枕崎市で製造されている<さつま白波>というようなロゴマークが小さなグラスの正面に在って、裏側に「5:5」とか「4:6」と短く“線”が引かれているのです。これは「“線”まで湯を注ぎ、その後に焼酎を注げば、5:5や4:6の美味いお湯割りが簡単に出来る」という仕掛けなのです。これはなかなかに便利です。グラスは販売にも供されていて、日本国内で入手可能です。

序でに申し上げると、例示した<さつま白波>に類するような「本格焼酎」はユジノサハリンスクでは視掛けません。酒類について、ロシアでは輸入の規制が厳しく、入っているモノに関しても非常に高価で、「日本で気軽に愉しむような種類の酒が手軽に」とは行きません。

実は「日本の土産」と称して、自身で一寸頂こうと持ち込んだ<さつま白波>をユジノサハリンスク市内で友人に振る舞ったことが在りました。友人によると「昔、凍ってしまって“多少の糖分”が加わったらしいジャガイモで、自家醸造のウォッカのような酒を造ったという人が在って、それを飲んだことが在る。日本の“ショウチュウ”と言うのか?これは?これはその、昔飲んだことがあるモノにやや似ている…」という感想を頂きました。その時は“五合”(900ml)のパックが、何人かで試飲して直ぐに空いてしまいました。

ファストフード店で「何となく飲料のカップが気になった」ということから話しが拡がりましたが、「身近な一寸したこと」が非常に興味深く思える場合も在るのがユジノサハリンスクでの滞在です。

コルサコフ地区のカレンダー(2018.01.12)

↓何か趣深い感じもする画です。
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↑コルサコフ地区のプリゴロドノエで活動しているLNG専用船が描かれています。巨大な船体を港内で動かす際、大型のタグボートがサポートしています。ダイナミックな光景が、印刷物とは思い難いような、立体感さえ感じられるように表現されていて、少し見入ってしまいました。

↓これは「街・海・エネルギー」というテーマでコルサコフ地区が用意したカレンダーです。
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↑2月の画が好いので、何となく眺めてしまいました。

巨大なLNG専用船をサポートする大型タグボートですが、定期的なドック入り(整備)を稚内港で行っている場合も在ります。そういう意味で身近にも感じます。

↓やや撮影時期が古い2011年の画ですが、稚内港のドックで整備中の、プリゴロドノエで活動するタグボートです。船底を洗っていて、吹き付けている水と陽光が虹を創り出しています。
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↑カレンダーの画に描かれているタグボートの“モデル”ということになります。

このプリゴロドノエから送り出されるLNGですが、日本国内でのLNG需要の1割程度を満たすものとのことです。ということは、LNGが利用されている都市ガス利用地区では、「ガスコンロの炎が10本視えて、中の1本はサハリンから来たガス」というような感じになるのでしょうか。サハリンは、大きなロシアの中のマイナーな地域かもしれませんが、意外に大切な日本との結び付きが在る訳です。

↓2月の画を「好い!」と眺めていても、カレンダーとしての用を為さないので、1月に戻しておきました。
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今年は、このカレンダーが眼を愉しませてくれそうで期待したいと思います。「どういう画が出て来るか、お楽しみ!」ということで、敢えて他の画は視ていません。

ロシア製の「ロシアらしい」感じな防寒帽子(2018.01.03)

随分以前にモスクワで聞いた話しです。

冬の或る日、或るアメリカ人が「外に出られない…」と嘆いているので、不思議に思ったロシア人が「大勢の人が外に出ているじゃないか?!」と尋ねたそうです。するとアメリカ人は「フロリダは雪が積もらない…外も凍らない…」と言い出し、「帰りたい…」と涙ぐんだというのです。

雪や氷と縁が薄い地域からロシアに入って冬を迎えると、雪や氷の中を「どうやって歩く?」ということにさえなるかもしれません。稚内からユジノサハリンスクにやって来て冬を迎えても、「モスクワのフロリダ出身者」のように戸惑う必要は在りません。稚内も雪が積もり、足元が凍っている場合も在る地域です。

それでも稚内とユジノサハリンスクとでは、「冬の寒さ」の「ニュアンス」が違うように思います。稚内では、氷点下10℃前後まで気温が低下するような事例は少ない他方、冷たい風が抜けて辛い場合が多いと思います。対してユジノサハリンスクは、冷たい風が抜ける場合は少ない反面、酷く気温が下がります。氷点下10℃や「それ以下!!」が、「半ば当然…」というように生じています。

先日、「久し振りにサハリンへ立ち寄った」という方から聞きました。

その方はユジノサハリンスク空港に到着した時、サハリンの知人に迎えに来て頂いたそうです。「無事に着いた!久し振りだ!」と到着した空港で互いに会って喜び、「さて、宿へ向かいましょう」となった時、知人は怪訝な顔をしたそうです。「何か?」という感じになり、知人は「帽子?無い?本当に無いのですね?」と確認するように尋ねたそうです。そして偶々帽子を被っていなかったことを確かめ、首を傾げながら出発という感じになったといいます。

冬季には氷点下10℃や「それ以下!!」が、「半ば当然…」というように生じているような場所ですから、「防寒のための帽子は必須」という感覚が在るようです。そこに、特段に帽子を被らずに現れると「あれ?!」という感じになるというのです。或いは、これはユジノサハリンスクに限らず、「ロシアの人達の常識」のように染付いている感覚なのかもしれません。

実は「冬季に帽子」というのは、“防寒”という意味では「1枚多く着る」以上に効果的かもしれません。北海道でもサハリンでも、屋内は暖房をよく効かせているのが普通ですから、“外”のことを考えて着込み過ぎても、屋内でやや心地悪くなってしまうことが在ります。対して帽子は屋内では脱ぐだけのことです。そして、空気に触れる部分が広い頭部が帽子で覆われると、寒い戸外でも身体の温度が保たれ易い訳です。

↓前置きが長くなりましたが、年が改まって、新しい帽子を使い始めました。
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↑何処となく「随分と昔の飛行士が被っていたような?」というデザインに思えるのですが、ロシアの会社による製品ということです。1700ルーブルでした。

↓外装がスウェードで、ベルトで大きさを調整します。
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↑筆者は「無駄に頭が大きいかもしれない?」と思うことが在るのですが、そういうような頭でも普通に着用出来る程度に、大き目な造りです。

↓外装の下は適当な厚みの温かい裏地になっていて、ヘルメットのように頭を包み込みます。
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氷点下10℃程度で、風が弱めで好天な日、この帽子を被って15分も歩き、屋内に入って帽子を脱ぐと「薄く汗ばむ場合も在る」という程度な、「強力な保温力」を誇る帽子です。

雪や氷に囲まれた冬には馴染んでいるつもりながら、ユジノサハリンスクのように氷点下10℃や「それ以下!!」が「半ば当然…」というように生じているような状態には不慣れです。「強力な保温力」を誇る帽子も愛用しながら、元気に乗り切りたいものです。