最近のユジノサハリンスクでは「雪が交じれば氷点下10℃を多少下回る程度。晴れれば氷点下20℃程度」というのが、未だ暗い朝の時間帯の感じだと思います。
2月15日の朝、戸外の様子を住まいの窓から伺って「晴れている…」と判り、気象情報をインターネットで確かめれば「氷点下23℃」で、実際に戸外に出てみれば「なるほど…氷点下20℃台…」という感じでした。身体を動かして歩いた時、「氷点下20℃台」の場合は、戸外用の上着が体の動きで擦れる場合に出る音が「氷点下10℃台」の時と多少違う気がします。その他、戸外で直ぐに手袋を着用しなければ、「急激に指が冷える」という感じになります。そして、「氷点下10℃台」と「氷点下20℃台」とでは、名状し悪い“空気感”の違いも否めません。
その氷点下23℃な中、以前にこのブログでも取り上げた、24時間営業のファストフード店へ向かいました。朝食にヴォリュームの在るサンドイッチを愉しみたかったのです。
↓これが以前にその店を取上げた記事です。
>>「所変われば…」:「世界一のファストフードチェーン」の店はユジノサハリンスクにも…(2017.10.03)サンドイッチを店員さんに用意して頂き、飲物も頼んで会計を済ませ、ゆったりと朝食を愉しむというような時間は、存外に心地が好いもので、最近はかなり高い頻度でこのファストフード店に立寄ります。先日は顔馴染みな店員さんに「そう言えば…昨日は見えませんでしたね?」と声を掛けられました。
↓サンドイッチを平らげてしまって、飲物を頂きながら一息入れている時、何気なくカップを視て面白いと思い、写真に収めました。

↑日本も含めた様々な国々で広く知られている、非常に御馴染なロゴマークが入った赤いカップが使われています。
余りにも有名な<コカ・コーラ>の流麗な書体のアルファベットで構成されるロゴの脇、右側に小さな文字が並んでいます。これに眼を留めました。
文字はロシア語で、「ЗАРЕГИСТРИРОВАННЫЙ ТОВАРНЫЙ ЗНАК」(ザレギストリーラヴァンヌィー タヴァールヌィー ズナーク)と在ります。これは直訳すれば「登録済みの商品の記号」とでもいうような感ですが、<登録商標>という意味に他なりません。なるほど、余りにも有名な<コカ・コーラ>のロゴは<登録商標>です。
こういうことがロシア語で記されているということは、このカップがロシア国内で製造されているか、他所で製造されているにしても「ロシア並びにロシア語圏の国々に向けて出荷」ということになります。こうした容器に関しては、見慣れない文字が在って「何処で製造??」というモノも見受けられるのですが、このファストフード店のカップのように「正しくロシア向け」というモノも視掛ける機会が多いと思います。
更に、左側の上に相当する辺りに「0,8л」という文字が在って、下線が付されています。これは「下線の辺りまで飲料を注ぐと0.8リットル」ということです。
この「下線の辺りまで飲料を注ぐとXリットル」という「数字と線」が画のようなカップやグラス類に付されている例は、随分古い話しなのですが、筆者はドイツで視掛けて「こんなことをやっているのか?!」と少し驚いた記憶が在ります。ロシアでもこの種の、「欧州諸国の流儀」が意外に広く入っていることに気付かされます。このファストフード店のカップの事例の他、「下線の辺りまで飲料を注ぐとXリットル」という「数字と線」を他所の店のビアグラスで視掛けたことも在ります。
日本国内で「ファストフード店のカップに入った清涼飲料」というと、「カップに氷を入れてから、機械で飲料が注がれ、蓋をしてストローが添えられる」というイメージが在ると思います。随分以前に何かで読んだのですが、有名なチェーンの或る店では、朝や昼の混み合う時間帯に素早く、何秒かでも早く飲物を提供することを目指し、「冷たい飲物用のカップに専ら氷を入れる要員」をカウンターに配置することさえしているといいます。ユジノサハリンスクの店で冷たい飲物を頼む際に、こういう日本の例が頭を過らない訳でもないのですが、ユジノサハリンスクでは「氷は入らない」のが普通です。
画の「下線の辺りまで飲料を注ぐと0.8リットル」と示されているカップには、氷は入らず、店員さんが機械で飲料をカップに注ぎ入れるだけです。ですからこの画のカップには「確り0.8リットル」の飲料が入っています。サンドイッチを頂きながら飲んでも余り、食後に一息入れながらという状態で飲んでも「ほんの一口残る?」という場合も在ります。なかなかの量で妙に飲み応えが在ります。
「下線の辺りまで飲料を注ぐとXリットル」という「数字と線」がカップやグラスに在るのは、何か「欧州諸国の流儀」のようだとしましたが、日本国内でも思い当たる事例は在ります。
鹿児島等では「焼酎のお湯割りグラス」というものがポピュラーなようです。例えば稚内市の友好都市である枕崎市で製造されている<さつま白波>というようなロゴマークが小さなグラスの正面に在って、裏側に「5:5」とか「4:6」と短く“線”が引かれているのです。これは「“線”まで湯を注ぎ、その後に焼酎を注げば、5:5や4:6の美味いお湯割りが簡単に出来る」という仕掛けなのです。これはなかなかに便利です。グラスは販売にも供されていて、日本国内で入手可能です。
序でに申し上げると、例示した<さつま白波>に類するような「本格焼酎」はユジノサハリンスクでは視掛けません。酒類について、ロシアでは輸入の規制が厳しく、入っているモノに関しても非常に高価で、「日本で気軽に愉しむような種類の酒が手軽に」とは行きません。
実は「日本の土産」と称して、自身で一寸頂こうと持ち込んだ<さつま白波>をユジノサハリンスク市内で友人に振る舞ったことが在りました。友人によると「昔、凍ってしまって“多少の糖分”が加わったらしいジャガイモで、自家醸造のウォッカのような酒を造ったという人が在って、それを飲んだことが在る。日本の“ショウチュウ”と言うのか?これは?これはその、昔飲んだことがあるモノにやや似ている…」という感想を頂きました。その時は“五合”(900ml)のパックが、何人かで試飲して直ぐに空いてしまいました。
ファストフード店で「何となく飲料のカップが気になった」ということから話しが拡がりましたが、「身近な一寸したこと」が非常に興味深く思える場合も在るのがユジノサハリンスクでの滞在です。